小ロット高収益(自営業向き)

(2020年7月23日)

おりーです、
 
グループホームって儲かるの?
 
ヤリ手の起業家から連絡をもらいました。
 
不動産関係の事業をしている人で
会社のリソースを活用して
参入可能か検討したいとのこと。
 
本業も順調なようですが
収益が良さそうなので詳しく知りたい。
 
で、
 
彼と色々と話をして
改めてわかったことがありました。
 
グループホーム事業は、
 
・初期投資が小さい
 
・収益率が高い
 
・小規模が有利
 
一発でドカンと稼ぐことはできない
地道なビジネスということです。
 
 
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小ロット高収益
 
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なのです。
 
比較するとわかりやすいので
不動産とグループホームの
収益を比べてみます。
 
 
不動産の収益:
 
中古のアパートを割安で仕入れ
1年間運営して売却するとします。
 
取得費 9000万円
 
諸経費 300万円
 
初期費用9300万円を投じて
1K12戸のアパートを取得しました。
 
家賃6万円で満室をキープすれば
 
家賃年収 864万円
 
諸経費 86万円(1割程度)
 
差し引き 778万円
 
の収益になります。
 
 
で、1年後に売却するわけですが
家賃変わらず市況も良く
利回り8%で売れたとします。
 
売却金額 1億800万円
 
諸費用 300万円
 
 
初期費用9300万円を差し引くと、
 
差額 1200万円
 
の収益になります。
 
 
家賃と売却の収益を足すと
 
778万円+1200万円で
 
合計1978万円。
 
 
これくらいであれば
従業員を雇わなくてもできるので
全て自分のものになりますよね。
 
投資額9300万円に対して、
1978万円の収益になったので
割合としては20%ほどです。
 
 
 
では、グループホームはどうか。
 
戸建タイプの小規模な例で説明します。
 
理由は後で説明しますが、
大規模なグループホームは
何かと不利な点が多いからです。
 
 
グループホームの収益:
 
1棟4戸のホームを2つ運営するとします。
(トータル8戸)
 
初期費用:600万円
 
賃貸契約、防災設備、家具など
1棟あたり300万円ほどかかるので
2棟分で600万円を投じました。
 
収入は利用者さんからの利用料と
市町村からの給付金の2段構成です。
 
利用料 7万円×8人=56万円
 
給付金 25万円×8人=200万円
 
毎月の収入の合計は256万円。
 
 
支出は運営費と現場スタッフの人件費です。
 
さらに資格のある管理者を雇用することが
必要なのでその分も出ていきます。
 
運営費 56万円
(家賃、光熱費、食費、日用品費)
 
スタッフ人件費 100万円
 
管理者人件費 30万円
 
毎月の収入の合計は186万円。
 
 
収入から支出を差し引いて
 
差額 70万円
 
の収益になります。
 
 
年間の収益は840万円になります。
 
投資額600万円に対して、
840万円の収益になったので
割合としては140%ほどです。
 
小ロット高収益ですよね。
 
 
おさらいします。
 
不動産:
 
投資額 9300万円
年間収益 1978万円
収益率 約20%
 
 
小規模グループホーム:
 
投資額 600万円
年間収益 840万円
収益率 約140%
 
 
ここまで見ると
グループホーム事業はいい!
と思ってしまうのですが、
 
1つ最大の難点があります。
 
 
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拡大できるかできないか。
 
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不動産は融資さえ受けられれば
いくらでも拡大することができます。
 
・投資額を増やす
 
・大きな物件を扱う
 
・物件数を増やす
 
2億3億と規模を大きくすれば
その分収益を増やすことができます。
 
一発でドカンと稼ぐことも可能です。
 
運営を管理会社に外注できるので
物件数を増やしても従業員は
それほど必要ない。
 
だから拡大もしやすい。
 
 
一方で、
 
小規模グループホームは
名前の通り小規模なのが利点です。
 
 
逆を言えば、拡大しづらいんです。
 
主な要因が3つあります。
 
1)近隣
 
2)職員体制
 
3)給付金の体系
 
 
まずは近隣です。
 
福祉の時代と言っても偏見がなくはない。
 
合法なので堂々とやればいいですが
運営面を考えれば近隣の理解も必要です。
 
4〜5人の小さなホームであれば
住宅街に溶け込めることができますが
多人数のホームは目立ちます。
 
だから小規模がいい。
 
 
次に職員体制。
 
福祉事業はサービス業です。
 
利用者さんを個々に支援するので
どれだけ手厚く見れるのかは
職員体制にかかっています。
 
現場スタッフは無資格でもできますが
誰でも勤まるわけではないですし。
 
一気に拡大すると手薄になる。
 
管理者も目が行き届かなくなる。
 
支援の質が落ちる。
 
なので小規模の方がいい。
 
 
最後に給付金の体系です。
 
定員20名を超えると給付金が
満額もらえなくなります。
 
職員と利用者の人数比も
職員が少なくなるほど
給付金の単価が小さくなります。
 
利用者の人数比が大きくなるほど
職員が手薄になっていくので
理にかなっていますよね。
 
報酬面でも小規模が有利です。
 
 
加えて言えば大規模なホームは
満室になるまでの期間中、
家賃や人件費の持ち出しが重い。
 
 
いろんな意味で大規模は不利なんですね。
 
だからグループホームは拡大しづらい。
 
拡大するとしても徐々に時間をかけて
小さなグループホームを1つずつ
地道に増やすのが良いと思います。
 
 
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まとめます
 
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グループホームは小ロット高収益。
 
大規模は不利だし一気に拡大もできない。
 
ドカンと稼ぐことは難しいので
大手の参入もないのかもしれません。
 
 
ヤリ手起業家の知人も実情を知って
考え直すと言っていました。
 
 
小資本で、高収益で、小規模が有利。
 
そう考えると自営業向きのビジネスですね。
 
福祉事業を立ち上げたいと
本気で思っている個人にとっては
良い条件が揃っていると思います。
 
 
あなたはどう思いますか?
 
 
また、メールします。
 
 
 
 
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