ホーム被災!

(2019年10月16日)

おりーです、

自然の力は怖いですね。

まさか開業2年目でこんな災害に
会うとは思っていませんでした。

想定外というか、甘かった。

防災訓練をしなきゃしなきゃと
モタモタしているうちに
本番がやってきてしまいました。

台風19号。

過去最大の台風だ、
という報道は聞いてました。

電車とバスが止まるなぁ〜

従業員の出勤、大丈夫かなぁ〜

くらいは考えていて
勤務時間をズラすなどの
対策はしていました。

でも、ホームそのものが
危険な状況になるなんて
直前まで考えもしませんでした。

正直、タカをくくっていたのです。

雨と風がちょっと強いだけでしょ、と。

風の被害はあるかもと思いましたが
保険で直せば済む話ですし。

ホームから50mほどの所に
小さな川が流れているのですが
氾濫したという話は聞いたことがなく
まさかないだろうと思っていました。

私もバカではないので開業する際に
ハザードマップだけは調べました。

ホーム所在地の浸水リスクは
100年に1度の大雨が降ったとして
0.5m程度の浸水となっていました。

床上浸水はないよね。

外出しなければ大丈夫でしょ。

避難なんて必要ないよ。

台風上陸の直前まで危機感ゼロで、
前日も飲みに行ってたくらいです。

なので台風が迫ってきた当日の朝、
スタッフから連絡が来た時には
正直かなり焦りました。


———————

境川が氾濫してます!

———————

10月12日土曜日、午前9時頃のこと。

ホームの近くの川が氾濫しそうと
日勤スタッフからメールが来ました。

で、慌てて情報収集。

Yahoo!で水位観測所のデータが
リアルタイムに公開されていて
ホームも危ういことが判明しました。

氾濫危険水位の警告が次々と。


Wikiで過去の情報を見てみると
昭和、平成になってからも
大雨で氾濫した年があることが判明。

同じ川の下流の方なので
ドンピシャではないのですが
氾濫があってもおかしくない。

地元の相模原市からも
地域指定で避難勧告が出ました。

9時頃 警戒レベル4(避難勧告)

20時頃 警戒レベル4(緊急:避難指示)

こういうの初めてです。

午前の段階で避難することを決定。

現場に指示を出しました。

当日のスタッフには負担になるし、
利用者もホームの方が快適だから
避難所なんか行きたくないでしょう。

でも快適さより安全が大事。

大袈裟なくらいがちょうどいいですよね。

台風が通過するのが夜でしたが
暗くなってから避難すると危ないし、
まして水が来てからじゃ逃げられない。

ひと家族ならパッと移動できますが、
団体での避難となると時間がかかります。

なので、早めの避難。


———————

Aチーム・Bチームの明暗。

———————

私のグループホームは3棟あり、
2つは目の前なのですが
もう1つは1.5Kmくらいの距離です。

なので、避難も2手に分かれました。


Aチーム:

・1棟目、3棟目の合同避難

・利用者7人、職員3人

・小学校へ車で移動(2.5Km)


Bチーム:

・2棟目の単独避難

・利用者3人、職員1人

・公民館へ車で移動(1.7Km)


Aチームは日勤スタッフに加え
夜勤者が早く出社することができ
手厚い体勢になりました。

利用者は1人外泊のため7人。

ホームより高い場所にある
小学校へ車で移動しました。


Bチームは日勤スタッフのみ。

夜勤者は遠方のため出勤を控え、
日勤者に翌朝まで残ってもらうという
非常体制をとりました。

利用者は1人外泊のため3人。

ホームより高い場所にある
公民館へ車で移動しました。


当日の実際の動きはこうです。


Aチームの場合:

9時頃 避難先の確認

避難所に電話しましたが出ず、
スタッフが現地へ行って確認しました。

・受入状況と混雑状況

・翌朝までいられるのか

結果、OKだったので避難先決定。


9時半頃 避難準備

持っていくものを準備しました。

・水、薬、非常食

・毛布や上着など

・おにぎり、弁当(ある食材で)


11時頃 昼食

持っていける食料に限りがあるので
出発前に昼食をとりました。


12時頃〜 移動

車2台で往復し合計10人移動、
14時頃には完了しました。

Bチームの場合:

9時頃 避難先の確認

避難所に問い合わせをしました。

・受入状況と混雑状況

・翌朝までいられるのか

こちらは電話がつながり
OKだったので避難先決定。

現場に避難準備を指示しました。

その後、Bチームのスタッフと
連絡がうまく取れずにいると
避難完了の報告メールが来ました。


10時半頃 移動(完了)

現場のスタッフの動きが早く
細かい指示を出す前に
移動してしまいました。


非常時に連絡が取れない
というのは痛いですね。

でも携帯電話も固定電話も
インターネットも通信が
できないことはあり得ます。

ということは結局、
現場の判断になるわけです。

なので事前の準備だとか
避難訓練が大事なんだなーと
改めて思った次第です。


で、避難後。

夜の間にひと騒動ありました。

22時〜23時頃になって
雨と風がおさまってきた。

台風が終わったと思って
利用者さん達がホームに帰りたい、
と言い出したわけです。


———————

間一髪のギリギリセーフ。

———————

夜中にAチームから電話が来ました。

台風、通りすぎたみたいです。

他の人たちも帰り始めていて
避難所がガランとしています。

利用者さんも寝れないようだし
不安定になっても良くないので
ホームに帰ってもいいですか?

という相談。


いやいやいやいや、ダメだって。

夜の移動って危険だし。

雨風よりも氾濫が怖いので。

雨が止んでも後から来るし、
もしかしたらもう既にホームは
水浸しかもしれないでしょ。


ということで明け方まで
避難所で過ごしてもらいました。


ホームはどうなったか。

氾濫、浸水はあったのか。

結果的には何もなかったです。


明け方にスタッフが様子を見に行き、
問題なかったので全員で帰宅。

私も朝からホームへ行きました。

外は嵐の後で多少荒れてましたが
家の中ではみんなで朝食を食べていて
いつもどおりの風景。

川の水位はかなり高く、
避難して正解だったなと思います。

近所の人に話を聞いたところ

「ギリギリセーフだったよ」

とのこと。

境川、持ちこたえてくれました。

Bチームはどうだったかというと、
なんと夜中に帰宅しちゃいました。

スタッフの自己判断です。

猛反省!致命的な連携ミス、
もっとちゃんと伝えておくんだった。

せっかく避難所についたのだから
最後まで動かないで欲しかった。

何事もなかったから良かったかものの。

報告をもらった時はヒヤヒヤしました。


確かにBチームはスタッフ1人だったので
トイレ休憩や仮眠など取りづらく
ひと晩過ごすには難しかったかもしれません。

非常食の場所も伝えておらず
持ち出せなかったみたい。

大変な思いをさせちゃいました、申し訳ない。

翌朝ホームに行くとみんな眠そうだけど
もうすっかり日常生活に戻っていて、
ガクッと拍子抜けしましたが
でもまあ本当に無事で良かったです。


———————

教訓になりました。

———————

期せずして、ぶっつけ本番で
避難をすることになり
いろんな教訓をえました。

・「100年に1度」は明日来る

・水が来てから逃げても遅い

・警戒レベル3で準備、4で避難

・合同チーム、スタッフ2名以上

・夜間の移動は厳禁!

・非常食と水は目立つところに置く。


余談ですがAチームでは、
向かった小学校が混雑し始め、
並んで建っているもう1つの小学校へ
誘導されました。

市の職員がお世話してくれて
受け入れ態勢は万全だったようです。

避難所で貸与されるマットや毛布も
充実していてまあまあ快適だった
と職員から報告を受けました。

後から避難してきた人たちは、
スペースも毛布類も足りなくなって
あまり環境が良くなかったようです。

その点でも早めの避難がベストですね。

 

あなたはどう思いますか?

 

また、メールします!

下居